習うより慣れよう

Mayu Nakamura
May 19, 2021

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デザインReading Clubを始めた理由

「英語って勉強した方がいい?」

他のデザイナーさん達からこの質問をされたとき、以前まで私の答えは

「日々の生活で使わないなら別にやらなくてもいいのでは?」

でした。やりたい事がないと言語学習はつまらないし、身につかない。言葉は手段であって、目的ではないからです。ですが、最近は少し考えが変わっています。英語の勉強はしなくてもいいと思います。でも英語への抵抗感を減らす事ができればもっとデザインの世界が広がるのでは?と思うのです。

インターネットが進めた情報の民主化により、様々な情報リソースに簡単にアクセスできるようになりました。ですが、インターネット上で使用されている言語は60%が英語なのに対して日本語は2%程度だそうです。英語のコンテンツを諦めるということはネットの60%の可能性を諦めることでもあります。

デザインの世界でもこれは同じです。特にデジタルプロダクト開発の業界は情報が更新されるスピードが速く、その多くは最先端を走るシリコンバレーなどテック界隈が情報発信する英語圏内で起こっています。最新の情報が議論されるデジタルプロダクト・デザイン系のカンファレンスも、英語で開催されるものが圧倒的に多いです。パンデミックによりこれら多くのイベントがオンライン開催になり、(時差の問題はあるものの)参加しようと思えば日本からも参加できます。最先端の情報をリアルタイムに得られるチャンスです。同様に、オンライン学習のトレンドも進み、質のいい学習コンテンツに地球上のどこからでもアクセスできるようになりました。ですが、日本語でフィルターをかけてしまうと、ヒットする情報の数もかなり減ってしまいます。

また情報の民主化ということは、情報の発信元も増えているということです。いわゆる「権威」と言われるようなアカデミアからだけではなく、日々現場でデザインを実践している人たちがその経験・学びをシェアし、そこから議論が生まれ、次の進歩につながるというサイクルが、今までにないスピードで起こっています。多様な視点をもった人たちが多彩な考察を持ち寄ることで、革新的なものは生まれます。情報のシェア、議論、実践は、テック界隈のイノベーションの原動力です。もちろんそれは日本語でも起こっている事ですが、英語での情報にもアクセスできれば、さらに広い視点や議論に出会えることになります。

抵抗感を減らすってどういうこと?

例えば、ある程度のボリュームがある英語の文章を見たとき、どんな感じがしますか?宿題に向かう気分?完全には理解できなくてモヤモヤする?サクッと読めないから今は時間がない?そもそも脳内でフィルターアウトしてる?

私も長年仕事で英語を使っていますが、それでも日本語の方が読むのは断然速いです。自分の語彙力では理解できない記事にもよく遭遇します。どうしても日本語よりも負荷がかかる。日本語の文章を目の前にした時と比べて、小さな「抵抗感」を感じます。これは英語が第二外国語である限り消えないのだと思っていますが、少なくともそれを意識しない事はできます。「ま〜しょうがないよね」と諦めて気にしないようにしている感じです。

抵抗感を「減らす」という表現は、少し違うのかもしれません。抵抗感に支配されない。そのためには「その言語を勉強してマスターしようと頑張らない」事を心がけています。最初に書いた通り、結局のところ言語はコミュニケーションツールです。文法をマスターしたり、完璧に聞き取れるようにならなくても、相手の言いたい事がわかればいい。自分の言いたい事が伝わればいい。相変わらずaとtheは正しく使いこなせないけど、まぁいいや*。最近ではDeepLのような精度の高い翻訳ツールもあり、使えるものはなんでも使って、60%の知的リソースにアクセスできればいいのではないでしょうか。

*どうでもいいという訳ではなく、もちろん文法もボキャブラリーもできたらできたで役に立つ事は申し添えておきます。

定期的に英語の記事に触れる

それでも「抵抗感」を小さくするには、筋トレのようにある程度日頃からその言語に慣れている事も必要です。デザインReading clubを始めたのは、みんなで小さな「英語筋トレ」ができたらいいなと思ったからでした。ここでは英語ができるかどうか自体はあまり問題ではありません。みんなでお題の記事を読みながら、思う事をおしゃべりしている会です。逆にまた、英語ネイティブの方達も、日本語でのデザインディスカッションに触れる機会になると嬉しいです。

翻訳ツールを使ってもいいですし、ちょっとデザインの面白そうな記事を読んでみて慣れる事が目的です。「抵抗感」が少なくなってきたら、そのうち気になった段落だけ読もうとしてみてもいいかも知れない。会で取り上げられた記事以外にも、自分でもタイトルだけざっと眺めて、面白そうな記事をクリップしてみたり、デザインを話す時に出てくるキーワードだけ覚えてみたり、そんな風な変化が出てきてくれたら嬉しいです。

今のところ会場はClubhouseです。色々考えるところがあってこのプラットフォームにしているのですが、それはまた次の記事で。もし興味があればぜひ参加してみてください。

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Mayu Nakamura

Digital product design lead @ustwo. Believes in UCD. Mindfulness padawan. Music, SciFi, Crime fiction addict.